大田区の『メトロ 蒲田店』が運営会社の日本撤退に伴い閉店していました。地域の飲食店や宿泊業を支えた食品の問屋です。
2021年10月31日、蒲田郵便局の近くにあったメトロ蒲田店が閉店しました。
メトロは、飲食店や宿泊事業者に向けに業務用の食品の卸売り店舗を首都圏で展開しているドイツの流通大手です。
2002年に初めて日本に出店してから、東京、埼玉、千葉、神奈川、栃木、群馬の1都5県の10店舗を展開してきました。
メトロは、日本を含めた34カ国で事業を展開しており、2020年9月期決算の売上高は日本円で約3兆3,000億円でした。
この売上高の規模から、世界的な大企業であるのがわかります。NHKのニュースによると、日本だけで約1,200名の従業員を抱えていたようです。
蒲田店についての情報
開店は2017年3月
「メトロ蒲田店」は、初の都市型卸売りセンターとしてオープンしました。
それまでは、コストコやIKEAのような郊外型の大型店が中心だったメトロ社にとって、全く新しいコンセプトの店舗でした。
オープン時は、会員登録をした事業者に向けて、セールを実施していたようです。
地域貢献の一環として、一般開放をしていた
メトロ蒲田店は、通常会員制なので、一般の方は入店できませんでした。
そのメトロが、蒲田エリアに住む近隣住民を対象に、一般開放していたのをご存じでしょうか。
一般開放デーに訪問すれば、一般客用の会員カードを無料で発行してくれます。
蒲田店では、定期的に一般開放デーが開催されていました。土日が多かった記憶があります。
メトロ蒲田店の店内の様子
残念ながら、メトロ蒲田店は店内撮影が禁止されていました。そのため、店内の様子を残した資料は存在していません。
ただ、YoutubeやGoogleで検索すると、店内の様子を撮影した映像を見ることができます。
店内は、広い通路と大きな冷蔵庫・冷凍庫が並んでいて、我々が日々利用しているスーパーとは異なる空間です。
メトロ蒲田店で扱っていた商品
メトロ蒲田店では、業務用の食品や厨房用具が並んでいました。
編集部が訪問した際に購入したアイテムの一部をご紹介します。
・5kgのイタリア産スパゲッティ
・1kgのシュレッドチーズ
・2.5kgのフレンチフライ
・1リットルのドレッシング
・3リットルの箱入りチリ産ワイン
・100食分のデミグラスソース
・1kgのもやし
・50個入りのたこやき
・50個入りの餃子
・飲食店向け食器用洗剤
他にも、希望する量のお肉を切り売りしてくれるサービスもありました。
飲食店の仕込みの負担を軽減してくれるのは、会員制ならではですね。
閉店の理由や今後について
メトロ社が発表した撤退理由
メトロ公式サイトによると、撤退の理由は、「長期にわたる慎重な検討および事業改善のための多くの試みの末になされた決断」とのこと。
外資系のスーパーは、カルフールやウォルマートやテスコなどが日本に進出しました。その大半が、事業撤退したり、株式の売却を余儀なくされてきました。
メトロは日本上陸から約20年間ビジネスを続けてきましたものの、新型コロナウイルス感染症による外食自粛が業績に影響したと考えられます。
メトロ会員の今後の仕入れについて
今までメトロ蒲田店で食品を仕入れていた飲食店は今度どうするのでしょうか。蒲田エリアだけでも、ラーメン店や居酒屋など多くの飲食店が、同店舗を日常的に愛用してきました。
大量の仕入れをする場合、蒲田エリアでは、主に2つ選択肢が残されています。
1つは業務スーパーの利用です。もう1つは、肉のハナマサの利用です。どちらも大量購入に対応しているためです。
最後に、どうしてもメトロ社の商品を見てみたい人のために
2021年10月末で、メトロ蒲田店は閉店しました。ですが、同店で購入したと思られるプライベートブランドの商品が蒲田エリアで販売されています。
編集部の調査だと、JR蒲田駅西口にあるキシフォートでは、2021年11月現在でもワインや醤油などが販売されていました。
もしご興味のある人は、在庫が底を尽きる前に、足を運んでみてください。
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